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歌詞

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2016年07月13日 シングル「あと1杯だけ」


(男)
俺たちもう一杯だけ 俺たちもう一杯だけ
一杯だけ飲んだら発とう
俺たちもう一杯だけ 俺たちもう一杯だけ
一杯だけ飲んだら別れよう

こんな風にここで君を見送れば こんな風にここに君を置いて行けば
二度と会えないことだけ同じで
男らしくこのまま君を見送ってあげなければならないのに
そんなこともできない ダメな男だよ
男の涙は生まれから三度目
その一度がまさに今日だ

俺たちもう一杯だけ 俺たちもう一杯だけ
一杯だけ飲んだら発とう
俺たちもう一杯だけ 俺たちもう一杯だけ
一杯だけ飲んだら別れよう

(女)
もうこれ位にしておくから もうこれ位で別れましょ
私よりもっと好きになれる女に出会ってね
男らしく私をこのまま見送ってくれきゃダメよ
私たちの縁 ここまでじゃないの
私のような女は強いお酒一杯でさっさと捨てて
他の愛で私を忘れてよ

あなたとの日々忘れて あなたとの日々消します
私は他の人と生きるわ
あなたとの日々忘れて あなたとの日々消します
私は他の人と愛し合うわ

あともう一杯だけ あともう一杯だけ
一杯だけ飲んだら発ちましょう
(男:俺たち別れても 俺を忘れないでくれ)
あともう一杯だけ あともう一杯だけ
一杯だけ飲んだら別れましょう
私たちもう一杯だけ もう一杯だけ


【Bugsのライナーノーツ訳】

 1つの空間、1つの別れから始まった2つのストーリーを1曲に込めたWAXの新曲『あと一杯だけ』
 一日で忙しく音楽のトレンドが変わって行くこのごろだが、男女が別れを受け入れる姿だけは驚くほど変わらないようだ。明らかに田舍臭い音楽に感情移入して感動を感じる理由は正にこのためだろう。

 多くのミュージシャンがこのそらぞらしくて小汚ない感性を、何とか粹で美しく見せようと幾多の試行錯誤を果たし実際に少なくない成果を収めた。
 しかしWAXの『あと一杯だけ』は、もう少し率直で厚かましくなる事にした。別れを美しいことであるとポムザブゴ言い張るより、小汚なさ自体を認め、はだかの感情を濾過なしに表現する曲である。何らの皮肉ることなしにマイナーそのものを使うことで慰労ではなく 悲しみの発散を大衆に提案するのである。

 必要不可欠な情報以外は何も盛らなかった淡泊なアニメ映像と同様、音楽も簡潔にリスナーが集中しなければならない部分を親切につまんでくれる。
 派手さを排除した寂しいギター演奏に付いて来る別れを受け入れる男の歌に続く、自分を咎めてほしい女の歌、お互いに認めた別れを惜しい一杯で結末をつけるデュエットからは、WAXが伝えるこの歌の全てのメッセージを逃さないで感じることができるだろう。

 デビュー20年を過ぎて完成それ以上の気量と熱情を見せてくれているバラードの女王WAX、そして男役で参加した秘密の声の主人公が、次にどんな歩みを見せてくれるか期待したい。